Android Studio Chipmunkは、Androidアプリ開発用のGoogleのIDEの最新リリースである。このリリースには、新たなComposeアニメーションプレビューア、CPUプロファイラ、拡張ビルドプロファイラが含まれている。
新たなComposeアニメーションプレビューは、開発者がJetpack Composeをベースにアニメーションを簡単に作成できるようにすることを目的としている。現在、AnimatedVisibility
とupdateTransition
を使ったアニメーションをサポートしている。AnimatedVisibility
により、コンポーザブルの表示と非表示を制御できる。updateTransition
を使って、特定の状態間の遷移を作成し、複数のプロパティを同時に変更できる。たとえば、コンポーザブルの透明度(opacity)やサイズなどを変更できる。これらは多くの利用できるアニメーションのうちの2つにすぎないが、Googleは、将来的にはさらに多くのアニメーションのサポートを導入すると述べている。
アニメーションプレビューのおかげで、開発者はアニメーションを一時停止、ループ、早送り、スロー再生することができる。さらに、アニメーション化されたプロパティの現在の値をいつでも調べることができる。コンポーザブルのプレビューを有効にするには、次の例のように、@Preview
アノテーションを使って新しいアドホックコンポーザブルにラップする。
@Preview
@Composable
fun ComposablePreview() {
MyComposable()
}
Android Studio Chipmunkには、新たなUIフリッカー検出機能も含まれている。これは、遅いレンダリングや、アニメーションがフレームをスキップするなどのUIの問題のトラブルシューティングをシンプルにするためのものである。新しいフリッカー/ジャンク検出機能により、システムトレースでフレームのライフサイクル情報が提供される。この機能により、どのフレームが、とりうるさまざまな状態のどれに属するかが表示される。これにより、GPUとアプリケーションがフレームをレンダリングするのにかかった時間などを把握できるようになる。UIジャンク分析により、レンダリングに時間がかかったフレームを特定して、その原因がどこにあるかが把握できるようになる。
Android Studio Chipmunkのビルドプロファイラが拡張され、すべての依存関係がAndroidXをネイティブにサポートし、AndroidXへの移行を強制する必要がない場合を特定できるようになった。これにより、通常、ビルド時間を5~10%短縮できる。Googleによると、Android Studioプロジェクトの大部分で依然としてJetifierフラグが使われているが、ほとんどのライブラリはすでにAndroidXをネイティブにサポートしているため、移行ステップの強制は不要となる。
最後の注記として、Android Studio Chipmunkでは、その基盤となるIntelliJプラットフォームも更新されている。IntelliJ 2021.2を採用しており、コンパイル前にエラーを追跡する新しいプロジェクト全体の分析ツール、コードの再フォーマットやインポートの最適化などの新しいIDEアクション、新しいパッケージ検索ユーティリティを備えている。