Googleが半年前にオープンソース化したビルドシステムのBazelが,予定通り最初のベータマイルストンに到達した。いくつかの言語とテクノロジのサポートが追加されている。
BazelはGoogleが社内利用するBlazeシステムだ。同社の巨大なワークスペースに収められた,数億LOCにも達するプロジェクトすべてのビルドに使用されている。内部プロジェクト間の依存関係と,ビルドクラスタのサポートが省略されていることの2点を除けば,Blazeの全機能を持っている。Bazelが重視するのは,パフォーマンス,再現性,拡張性の3つだ。LinuxとMac OS上でのみ動作するが,他のプラットフォーム用のソフトウェアをビルドすることも可能である。
Bazelが最初からサポートしているのはJava, C++, Objective-Cコードのビルドとテストだが,他の言語を含めるための機構も備えている。現在はD, Groovy, JavaScript, Python, Rust, Scalaをサポートし,Android, Docker, Google App Engine, iOS用のプロジェクトをビルド可能である。GitHubやMavenなど,外部への依存関係を定義することもできる。Skylark拡張機構を使用して,カスタムビルド用のルールで拡張することも可能だ。
2016年5月を予定するバージョン1.0では,Go言語サポート,Protocol Buffers(protobuf)のネイティブサポート,Android Studioとの統合などが追加される予定だ。さらに,当初は開発量の面で困難とされていた,Androidアプリケーションのビルドとテストのフルサポートを含むWindows上での実行,Google Cloud Test Labなどでのテストについても,バージョン1.0のロードマップで詳細に述べられている。