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Spotifyはどのようにしてモバイルアプリのサイズをコントロールし、地球温暖化と戦っているのか

原文リンク(2023-11-19)

新しい機能の追加は、アプリのサイズに隠れた影響を与えることが多く、ユーザーの離脱や不必要な二酸化炭素排出など、いくつかの望ましくない影響がある。Spotifyのエンジニアは、アプリサイズをコントロールし続けるために、PR前とPR後のプロセスを確立し、6ヶ月間で推定10MBのアプリサイズの増加を防いだ

アプリサイズが開発者の関心の中心になることはあまりないが、考慮すべき重要な要素であることは間違いないと、SpotifyのエンジニアであるViktor Petrovski氏、Dmitry Povolotskyi氏、Bruno Rocha氏は主張する。

アプリのサイズは、ネットワーク帯域幅とストレージという2つの異なる次元でユーザーに影響を与える。いわゆる先進国に住む多くの人々にとって通例、これらは懸念事項ではないが、ストレージやネットワーク帯域幅の狭い古いデバイスの普及などの要因により、世界人口の85%にとっては懸念すべき事項なのである。その上、Googleが主導した実験によると、以下のように述べられている。

アプリのサイズが6MB増加するごとに、アプリのインストール率は1%低下した。この影響は非常に大きく、多くのチャンスを逃している。

しかし、ネットワーク・トラフィックが地球温暖化に与える影響から、アプリのサイズは先進国でも懸念されるようになってくるのは必至である。Spotifyのエンジニアは、同社のモバイルアプリを更新するだけで、930ペタバイト以上のデータがインターネット上を移動していることを示すデータを提供している。現在利用可能な一般的なモデル、Shift Projectによって開発された1バイトモデル2019年のEPAデータを用いて、彼らはネットワーク・トラフィックが約65,000トンのCO2に相当すると試算した。これは65,000人がロンドンとニューヨークを往復するフライトに相当する。

アプリのサイズを抑制するために、スポティファイはマージ前とマージ後の厳格なプロセスに依存している。マージ前のプロセスでは、Emerge Toolsを使って各PRを分析し、アプリサイズへの影響を評価する。50KBを超える場合は、専門チームがいくつかの基準を適用してさらに分析し、承認または却下する。

マージ後のプロセスでは、ビルドごとのアプリサイズの変遷をよりグローバルに把握しようとする。実際、各PRが50KBより小さくても、ビルドに含まれるすべてのPRによるアプリサイズ全体の増加は、大きなものになる可能性がある。ここでもEmerge Toolsが鍵となる。Emergeツールは、コンパイル単位の詳細な内訳と、それぞれがアプリサイズにどれだけ寄与しているかを提供してくれる。このデータは、どのチームがアプリサイズの成長に最も貢献したかを特定し、チームのパフォーマンスを比較するための分析を構築するために使用される。

アトリビューションを確立し、各チームにその影響に対する責任を負わせることで、新機能の展開とアプリサイズを妥当な範囲内に維持することのバランスを効果的に保つことができる。

全体として、この2つのプロセスにより、Spotifyのエンジニアは警告のトリガーとなった100以上のPRを特定でき、そのうち53はサイズを縮小するために修正された。これにより、アプリサイズが10MB以上増加するのを防ぐことが可能になっただけでなく、前提としてPRを小さくするよう努めるという文化を、エンジニア全体で共有することに成功したのである。

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