Googleは、Google I/Oカンファレンスにおいて、Android向けUIツールキットJetpack Composeの新しいバージョンについて発表。Jetpack Composeは、パフォーマンスの向上、Android Studioにおけるサポートの拡張、新しいMaterial 3 のライブラリなど、多くの機能をアップデートした。
Googleは、Modifierをさらに優れた効率的なシステムに移行することで、Composeのパフォーマンス向上に取り組んでいると述べている。ComposeにおけるModifierとは、コンポーザブルの装飾や拡張に使用するもので、例として見た目の変更、スクロール機能やドラッグ機能などを実現可能になる。Googleによると、この新システムはTextとTextFieldのコンポーザブルに22%の性能向上をもたらし、ホールツールキットはこのアップデートにより大きなメリットを得る。
また、Jetpack Composeには、アイテムのリストを自由に切り替えが可能な新しいページャー・コンポーネントや、アイテムのリストを縦や横に自由に配置できる新しいFlowRowおよびFlowColumnレイアウトなどの新しいUI機能が含まれている。
Android StudioでのComposeのサポートも進んでおり、現在のベータ版では、ライブ編集と拡張アニメーションプレビューのサポートが含まれている。Hedgehogと名付けられたAndroid Studio Canaryでは、デバッガでどのパラメータが変化したかを表示し再描画の原因を調べることができ、仮想デバイスに回転変更や折り返しなどの同期的な設定変更を適用できる新しいEspresso Device APIに対応するといった、さまざまな機能が追加されている。
Jetpack Composeは、Androidの公式デザインシステム「Material Design 3」の実装アップデートも実施、バージョン1.1に更新された。Compose Material 3 1.1では、新しいコンポーネント、改良されたAPI、多くの機能強化が行われた。新しいコンポーネントには、メインUIに重なる標準またはモーダルのボトムシート、新しいDatePickerとDateRangePicker、キーボード入力用の横長レイアウトやジェスチャー入力用の縦長レイアウトの2種類をサポートする新たなTimePicker、フルスクリーンか小さなウィンドウで検索結果の表示方法が異なる検索バーとドッキング検索バー、ツールチップをサポート。
また、新しいJetpack Composeでは、大画面、折りたたみ式デバイス、ウェアラブルのサポートを拡充。特に、新しいGlanceライブラリは、ホームスクリーン、レスポンシブ、インタラクティブなウィジェットを簡単に開発できるようにするのが目的だ。Compose for WearOS 1.2がアルファ版に到達し、アニメーションの読み込み、一覧表示とテキストの圧縮、リストをナビゲートするための回転入力の強化、Android Studioでのプレビュー統合の改善などを提供している。
Composeの最新バージョンについて詳細は、公式リリースノートを確認してほしい。