最近、GoogleはDatabricksとのパートナーシップを発表した。フルマネージドのApache Spark製品とデータレイク機能をGoogle Cloudに導入するためである。この製品は、Databricks on Google Cloudとして利用できるようになる。
Databricks on Google Cloudは、Google Cloudのインフラストラクチャと分析機能と緊密に統合される。DatabricksをGoogleKubernetes Engine（GKE）と統合することで、顧客は完全にコンテナーベースのDatabricksランタイムをクラウドで利用できるようになる。さらに、DatabricksにはGoogle BigQueryとの最適化されたコネクタがあり、高性能クエリ用のStorage APIを介してBigQueryでデータに直接簡単にアクセスできる。
DatabricksとLookerの統合、SQL Analyticsのサポート、そして、Google CloudのオープンAPI環境により、顧客はデータレイクに直接クエリを実行できるようになる。これにより、まったく新しい視覚化エクスペリエンスが提供される。そして、顧客は、利用可能になり次第、GoogleCloudコンソール内で統一された請求とワンクリックセットアップを使うことができるようになり、Google Marketplaceを介してDatabricksをデプロイできる。
Google CloudのグローバルエコシステムのコーポレートバイスプレジデントであるKevin Ichhpurani氏によるGoogleのブログ投稿によると、Databricksで構築されたモデルをデプロイする際に、Google Cloud AI Platformのマネージドサービスを使用することでオーバーヘッドを減らすことができる。さらに、DatabricksをGoogle Cloudサービスと組み合わせて、データ管理と分析への投資を最大限に活用することができる。そして、Databricks、Google Cloud、他の分析アプリケーションを1つの共有インフラストラクチャで並行して動作させることにより、インフラストラクチャを節約できる。
Googleは、MicrosoftとAWSに続き、クラウドプラットフォームでDatabricksを提供している。Microsoftは2018年にAzure Databricksをリリースした。これは、最近追加されたAzure Chinaを含め、30のリージョンで利用できる。さらに、Azure Databricksは、Microsoftによって直接販売され、サポートされているファーストパーティのMicrosoft Azureサービスである。同時に、AWSは、さまざまなリージョンで利用可能なDatabricks on AWSを備えたDatabricksも提供しており、EMRと呼ばれる別のマネージドSpark製品を保有している。Googleと提携することにより、Databricksは現在、3つの重要なクラウドプロバイダーで利用できる唯一の統合データプラットフォームである。
Googleのプレスリリースで、Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏は次のように述べている。
Google CloudでAI・ML主導の分析をするためのDatabricksのレイクハウスを提供できることをうれしく思います。データエンジニアリングと分析におけるDatabricksの機能を、Google Cloudのグローバルで安全なネットワーク（そして、分析とコンテナ化されたアプリケーションの提供に関する専門知識）と組み合わせることで、企業がデータの力を通じてビジネスを変革するのを支援できるようになります。
さらに、DatabricksのCEO兼共同創設者であるAli Ghodsi氏は、同プレスリリースで次のように述べている。
これは、クラウドプラットフォーム全体でシームレスなエクスペリエンスを以って、顧客に柔軟性と選択を提供するという当社の取り組みを強調する極めて重要なマイルストーンです。Google Cloudと提携し、簡素化されたオープンで統合されたデータプラットフォームという共通のビジョンを実現できることを嬉しく思います。これによって、顧客がさらに迅速にイノベーションを行えるようにするための、分析とAIのユースケースの全てがサポートされます。
現在、顧客は3月にGoogleでDatabricksの公開プレビュー版にサインアップできる。